「……なっ」



そこに広がっていた光景はどこまでも続くかと思うような壁。


とにかく大きなお屋敷だった。



「すげーだろ。これ俺ん家。」






すごい………





その言葉しかでてこない。




「こんなとこで止まってないで中に入ろう。」


声をかけられてやっと思い出す。


今イアは捕まりそうなんだってことを……








ザッ









そんなことを考えていると目の前に槍が下ろされた。





「お前達、名を名乗れ。」



「俺だよ。警備が厳重なのはいいが、ほどほどにな。」




どうやら警備の人らしかった。




「残念だが今日の招待客に俺という名前のお客はいないんでなぁ。お帰り願いたい。」




鎧をつけていてよく見えないのか、新入りなのかは知らないが、相手がフロウだということに気づいてないようだ。