案内されたのは白黒で統一されたモノクロの部屋だった。脇には花壇がある。
チェスが好きな人の部屋なのかナイトの駒やキングなどが部屋の隅にいる。
そして中央の椅子には……クイーンの駒がある。
「クイーンはどこにいらっしゃるんですか?」
私がそうきくとティープと従者の人が顔を見合わせて笑った。
「クイーンはいらっしゃいますよ。」
「えっ?」
よく部屋を見回してみる。
イアは気配を感じることができるからもう分かったようだ。
微笑んでいる三人を睨みながら懸命に探す。
一体どこにいるというのだろうか?
……………いた
クイーンは草花の中で一人眠っていた。
しかし不思議なことがあるものだ。
クイーンは草原で話した彼女だったのだ。