「そしてもう一つ、祝福すべきものがある」




はっとしたように、シルヴィアから民衆が目を離し、アイリウスへと向けた。





「数々の苦難を乗り越えた者には、幸せが待っているのだ。」





何のことかわからない民衆は、いきなり話しはじめた話題が誰のことなのかわからないでいた。





しかし、バルコニーにいる王族の顔はみな、喜びに満ちていて、当人達の顔は少しばかり赤らんでいた。





「私はここに、イアとシルヴィアの交際を認め、二人の義理の兄弟という関係が恋人に変わることを祝福しよう!」


























少しの間あった。




その間は、民衆の感動の印しだった。


目にうっすら涙を浮かべるものさえいた。




皆が、美しく清らかな二人の交際を喜び、新しいこの世で1番美しいのではないかと思うほどの美男美女のカップルに、きっと世界で1番愛されるだろうカップルに祝いの言葉を発した。






シルヴィアとイアの心は感謝の言葉と同時に、今までのことが蘇ってきていた