そうすると、先に門の前に立つ二人が私達に気付いた。
「さぁ、急いでくれ。世界のみんなにイアは何もしていなかったこと、それにシルヴィアの帰還にもちろんニアの今までの状態……とにかく発表しなければいけないことが沢山ある」
「今行きます。ほら、シルヴィア、いくよ!」
私の目の前にごく自然に、でもしっかりとイアの手が差し出された。
「うんっ、いこ?」
私もしっかりと握りかえす。もう二度と二人の仲がさかれることのないように。
にっこりと笑う彼は私から視線を戻し、手をひっぱり門へと向かった。
そして同じように私も視線をあげる
すると……
満面の笑みで私だけにわかるようにウインクをするニアが見えた。
どうやら、繋いだ手に気付いたらしい。
私も彼女だけにわかるように微笑みを返し、手を引かれるままに階段を昇った。
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