はっとした顔になり、椅子の手摺りについていた手を慌てて外し、私の顔をじっくりと見はじめる王。
どうやら私の正体に気づいたらしい。
「まさか……そんな、事が……」
見開いためには、驚きと少しの喜びが浮かんでいた。
今日はじめての輝きを持った瞳で、私を見つめ自分のなかで激しい葛藤を繰り広げているようだった。
私もまたそんな王を見つめていた。
ただ一心に……
「父上…初めまして。いえ、久しぶり、なのでしょうか?すみません。記憶がまだ戻っていないもので……」
私は恐る恐る、だが少しの確信を持って王に話し掛けてみた。
「本当に帰って来ていたとは………」
そして言った
「お帰り、シルヴィア。君の帰りを心待ちにしていたよ?ニアも私も………気付かなくて、酷いことを言ってしまって本当に悪かった」
優しい慈悲の微笑みを浮かべた彼の姿は、私の全てを呼び起こした。
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