このままでは……
このままでは終われない。
此処まできてイアを助けることもできずに立ち去るなんて、私にはできないっ!
「待ってください!!!」
気がつくと私は叫んでいた。
ただただ、目の前でまた眉を寄せる王の顔を見つめていた。
兵士達はうごきを止め、フランテ達も何をするきかとこちらを見つめていたが、どうやら私の意図がわかったらしく渋々というように頷いた。
「きさま、母上の侍女と言ったな。私は今日、王族との面会を承諾したんだ。きさまなどと話す事はないよ。」
王はまるで私が話し掛けたことなどなかったことにして、早く帰れと言うように不機嫌になった。
「私が……義理でも王族でしたら、話していただけませんか?」
「きさまが王族?きさまの顔など見たことがないがどこの者だ?」
「此処です。父上………」
静寂が部屋を包んだ………
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