そして長い廊下を行くと、階段に突き当たった。



「上がれ。ここは流石に引きずる訳にはいかない。」





仕方がなく片足をあげ、少し力を込めた。









「いってぇ!!」






あ……



足に力を入れたときに、軽くだが男の腕を掴んでしまったらしく、奴らは苦悶の表情を浮かべる。





「わるい」






俺はここにきて初めて声を出した。



ひび割れた、潤いと張りのない声。本当に自分の声かと疑うほどにしゃがれていた。






俺は黙って足を進める。




バランスを崩して壁に手をつくたびにパラパラとコンクリートが落ちて散らばるが、あまり気にせずに進む。





前にいる隊長の背中を見つめながら黙って………