王が支度を終え、城外に全員集まったのはあれから大分時間が経っていた。



ちょっとした揉め事があったのだ。





あれほどイアの救出に加わりたいと熱心だったティープとセシル、フロウがいなくなっていたのだ。


そして扉番の兵に置き手紙が一枚。




そこには、自分達の領土へ戻ってイアの帰還を待つとだけ書いてあった。



それから少ししてリナが語った話しによると、三人共、役目は終えたと言っていたらしい。









そのことはまだリナと私しか知らない。



それをどう皆に伝えるか話し合っていたら、つい時を忘れてしまったのだ。







そして今、私達の前には詳細を聞こうとずっと待っていた人達が集まっている訳だ。




が、フランテはどうやって王都まで行くかの話し合いを始めようとしている。



彼女の話しを妨げるのはあまり気が乗らなかったが、そうするしかなかった。