「フランテ様、まだお気づきになりませんか?」
彼は悲しそうにつぶやいた。
目を細めて囁くように……
ずーっとニコニコしていたあの顔とは違う、寂しそうな笑顔。
「なにがだい?」
「僕は貴女様を尊敬しお慕いしてきたのです。ですから僕は貴女様のいる側につきます。愛する貴女の方へ……」
それはあってはならないことだった。
夫のいる女王への寵愛。
それは位の上の者に、責任ある身の者に民を裏切れと言うようなものだった。
初対面だったため私には少し刺激が強かったが、フランテはそんなそぶりは全く見せずにため息をつくのみだった。
そうしてそんなこんなで全員が集まったのだった……
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