しかし、物事はそう簡単に進むものではなかった。

私達が魔界王に意見を言うには、二つの勢力が足りていなかった。



普段は仲が悪く、滅多に顔を合わせないし、何よりもイアのことを快く思っていない悪魔の王


それから元魔界王及び魔界女王または近い親戚だ。




「何とか説得し無ければいけないな……」




難しそうに言うカリウス王の顔を見ると、威厳があり誇り高い彼でも、止めるのが困難なことが分かる。



しかし私は一つ、重要なことに気付いた。




「あのー……フランテさんって知ってます?」



「当たり前。先代の女王だよ。」



ティープがすました顔で口を開く。

するとそれに続くようにリナが彼女のことを話し始めた。



「フランテ様は素晴らしいお方よ。でも今は先代の魔界王が亡くなったから見を引いているわ。」



「そうだ。しかも居場所王族しか知らない。」



「そうだったんだ………。」



じゃあ私は、本当は行ってはならなかったんだ。