朝、まだ疲れがとれっきっていない体を無理矢理動かし厨房へと向かった。
朝早いにも関わらず、窓の外はざわざわとしている。
活気に満ちている
とまではいかないが、少々騒がしいほどだった。
何だか夢を見ているようだった。
人間界を出てからまだ一ヶ月しかたっていないのに、もう何年もたったように感じる。
それか長い夢だ
「シルヴィア!」
ぼーっとそんな事を考えていると、突然声がかかった。
青空から目を話すことが惜しくて、ゆっくりと振り向く。
「イア…どうしたの?」
「どうしたのって、朝ごはん。」
「あっそっかぁ。」
一時の安らぎに
一時の幸せに
一時のゆっくりとした時間に夢中で本来の目的をすっかり忘れていた。
「何かあったか?」
「ううん。今行く!」
今更人間界に帰りたいなんて言える訳がなかった………
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