バクバク
自分の心臓の音が聞こえてくる。
これからしようとしていることがどんな事なのか、
自分自身で分かっているのだ。
でも……
憎い親父へのせめてめもの仕返しだ。
あいつは許さない。
母さんを忘れろといった
母さんをいなかったような扱いをするあいつへ
仕返しをするのだ。
そのためには強くならなければならない。
兄さんも、執事のセバスチャンもメイドのアニーも誰も俺に協力はしてくれない。
皆結局親父が怖いのだ。
誰も母さんのことを口にしようとしない
だから
だから
俺が母さんのいた場所を守るんだ……
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