次の日の早朝、私は馬車に荷物を詰め込んでいた。
昨晩沢山お酒を飲み、泥酔しながらイアがいつもの気まぐれを言い出したのだ。
『明日だ!長くここに留まるより、決心した日に近い方がいい。明日出発するからな♪』
初めて魔界のお酒を飲んだ私が、口に合わず、風にあたりにベランダへと出たそのときだった。
「はぁ〜……まったく。」
頭が二日酔いでくらくらしているので辛かった。
「シルヴィア、大丈夫?」
……あんたのせいだぁっ!
と叫びたいのを我慢して皮肉をたっぷり込めたくちょうで、兄という名称までつけていう。
「うん。なんか目の前がくらくらしてるけど、イアお兄様が飲ませて下さったものは舌が痺れてなんか……だったから全然大丈夫!」
「まずい」のところは上手くはぐらかす。
「あ、ははは、はは……」
イアは戸惑うような苦笑を残した。
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