その言葉を聞いた瞬間、全身の力が抜けたかのように私はその場にへたりこんでしまった。
警官達の間には落胆と同時に、安堵のため息が広がっていった。
なんだかんだ言って、彼等が面倒を見たこともある王の息子だ。
自分達が捕まえるのは嫌だったのだろう。
そんな全員の気持ちを代弁するかのように、一人の隊長と見られる男が歩み出てきた。
「イア様、よくご無事で……またこうして話しが出来るのを楽しみにしておりました。」
涙を浮かべた瞳には優しさが広がっている。
「これからどうなさるんですか?」
「親父のところにいくよ。」
イアはそう完結に答えた。
「それなら、それなりの覚悟が必要ですよ?」
「私が協力しよう。」
響いたのはカリウス王の声だった。
彼もまた、イアを愛する者の一人だった。
そして彼の言葉を合図に次々と声が上がる。
「私も!」
「僕もぜひとも連れていって下さい!」
「俺も着いて行きます。」
沢山の声に私はイアが尊敬され愛されていることを改めて実感した。
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