「それじゃあ、露店で決定しまーす。」
委員長の声でパラパラと承認の拍手が起こる。
「やったー!!これで杏ちゃんと店番できるでー!!」
未だ立ったままの柏木くんが、教室に響き渡るでっかい声でそんなことを言うもんだから、恥ずかしくて顔が真っ赤になる。
それと同時に、クラスでは笑いが起こった。
・・・・・あとで柏木くん殺す。
顔を真っ赤にしたまま少し遠くの柏木くんを睨めば、しれっとした顔をしてこちらを見ていた。
確信犯か。
どうやら柏木くんがあたしを好きなのは、クラス中に知れ渡っているようです。
「露店、何出すー?」
副委員長が切り出せば、あちこちでたこ焼きだのクレープだのと候補が上がる。
「たこ焼きならオレに任せときっ!!」
露店言いだしっぺの柏木くんがドンっと胸を叩く。
「えー。なんかもっとかわいいのがいいー。」
「なんやっ、たこ焼きがかわいないっちゅーんか!!」
「かわいくはないでしょ。」
数名の女子とのやりとりで、たこ焼きをばっさり切られた柏木くんはすっかり撃沈。
結局、女子は強しで、露店のメニューはワッフルになった。
・・・まぁたこ焼きよりは何倍も可愛いわな。