ふーん、と肯いた先生が急にあたしの腕を引っ張る。


「ぅわっ!?」


やっぱり色気のない声でそのまま先生の座るソファに倒れ込む。


思いっきり顔面強打したんですけど。


顔を押えながら仰向けに直れば、煙草をふかしたままあたしの上に跨る先生が見えた。


「え、ちょ、なにしてっ・・・・・・。」


慌てて起き上がろうとすれば、軽く肩を押されて阻止される。


「言っておくけど、お前は俺のもんだから。他の男軽々しく隣歩かせたりすんじゃねぇ。」


上から見下ろされると、怖さは倍増するものなのね。


なんて呑気に考えながら、先生の言葉の意味を考える。


「俺のもんって・・・。」


「言ったろ。俺の特別にしてやるって。」


"いいよ、俺の″特別″にしてやるよ"


そういえばそんなこと仰ってたような・・・。


「あの時点で、お前は俺のもんだから。」


煙草を灰皿に押しつぶしながら、グッと近づいてくる。


「分かったな?」


綺麗な顔が目の前で停止し、息がかかる。


その言葉には、凄味があって。


こくこくと肯くしかできなかった。