教室に着けば、柏木くんは″ほな!!″と自分の席へ戻って行った。
「また柏木と一緒だったの。あの子も諦め悪いねぇ。」
あたしの隣に寄ってきた珠樹が、ボソッとそんなことを言う。
「え?」
「だって、3か月も返事しないってことは、杏子にその気がないってことでしょ?」
「う、ううん、そうじゃないよっ。」
珠樹には、あたしが返事をしない訳を話してなかったかしら。
「ほら、いい人・・・だからさ、柏木くんは。ちゃんと、考えないとと思って。」
「それにしたって3か月は待たせすぎでしょ。」
ズバッとあたしの発言は珠樹によって切り捨てられました。
「やっぱり・・・?」
チラッと柏木くんの方を窺って、ふー、と短いため息を吐いた。
「ま、あいつが待ちたいっていうなら待たせとけばいいのよ。」
なんて言って、珠樹はあたしの肩を叩いた。
柏木くんのことは好きだけど、それがどういう意味での好きなのか、あたしには分からなくて、こんなに引き延ばしてきちゃったけど・・・。
もっとちゃんと考えなきゃダメなのかな。