「ね、柏木くん。」
「ん?なんや杏ちゃん?」
あのあとあたしの側に来て、もう一度同じ班になろうと誘ってくれた柏木くんにOKを出したので、彼は今あたしの前の席に座っている。
「もう一人、誘って欲しいんだけど。」
「おう、せやな。珠ちゃん一人なってまうもんな。」
「純平くん、どうかな。」
心なしかニヤニヤした柏木くんに少し小声で頼めば、なんや純平か、と言いながら呼んでくれた。
「ちょ、杏子!!なんで堺いるのよ!?」
「え、このチャンス逃す手はないでしょ。」
「うそ・・・。」
純平くんが柏木くんの隣に座ったのを見た珠樹が、慌てたようにヒソヒソあたしに訴えてきた。
どう考えても、この四人になるしかないっていうか。
ほんのり顔を赤くした珠樹と、不思議そうな顔をした純平くん、今にも叫び出しそうに嬉しそうな顔をした柏木くん。
この四人で三泊四日の修学旅行、楽しみたいと思います!!
うん、絶対楽しいよ。
・・・どうか、珠樹と純平くんが、うまく行きますように。
そういえば、先生も副担だから同伴するんだよね。
・・・どうか、なにも起こりませんように。