あんまり長居もよくないし、とパンケーキ屋さんを後にする。
「おいしかったね、ここ。」
「うん。今度はもうちょっとくどそうなの食べてみようかな。」
初パンケーキってことで、お店オススメの、というか、売上上位二つを珠樹と半分して食べた。
メニューにはチョコだらけのとか、生クリームだらけのとかもあったけど、なんか胸焼けしそうでやめた。
普通にストロベリーとチョコバナナが乗ったのを注文したのだった。
「・・・珠樹はさ、純平くんのどこがいいの?」
ちょっとした沈黙が訪れたから、さっきあたしがされた問いを珠樹にぶつける。
「えっ!!・・・・・別に、どこでもいいじゃん。」
みるみる顔を赤く染めていく珠樹がかわいくて、ついいじめたくなる。
「えぇ、あたしだけ言わせて、自分言わないとかずるくなーい?」
「いや、でも・・・。」
「まー、純平くんもイケメンだしねぇ、珠ちゃんはイケメン好きだったのかぁ。」
「・・・うるさいな、杏子のくせに。」
だんだん顔の赤みも収まって、次は不機嫌というかふてくされた表情に変わった。
「・・・・・柏木が、杏子のこと追っかけるようになって、あたしも必然的に柏木と仲良くなったわけじゃない。」
「うん、そうだね。」
あたしはいっつも珠樹と一緒だし、あたしと珠樹が話してようがお構いなしに柏木くんは割り込んできてたから。