「キャー!!!」
「ゆうちゃーんっ!!!」
急に耳をつんざくような女子の叫び声がして、驚いて入り口付近を見つめる。
声の出所は朝のHRのために教室に入ってきた春市先生を囲んだ女子たちだった。
「朝から元気だね。」
珠樹は相変わらずクールに言う。
昨日の今日で、普通にしてるのも難しくて、目を泳がせつつも先生を見ていた。
「っ・・・・・・。」
不意に先生と目が合えば、周りの女子にばれないようにウインクを飛ばされた。
頭の中が混乱し過ぎて挙動不審になっていると、望月先生が入って来て、みんな席に着きだす。
あたしものそのそと席へ戻る。
あたしの席は、窓際の一番後ろ。
昼間は日が入って暖かく、ついうとうとしてしまう場所だ。
「・・・・・・おはよ。あんこちゃん。」
「わっ・・・。」
急に耳元で声がして、思わず叫びかけて慌てて口元を抑える。
声の主はだいたい見当がついてるけど、恐る恐る振り向くと。
「わって・・・、色気ねぇな。」
殺人スマイルを浮かべた春市先生が立っていました。