「この前試合行ったときは、別になんでもなさそうな感じだったのに・・・。」
「・・・実はね、一緒に行きたいって言ったのは、堺も試合出ること知ったからなんだ・・・。」
ってことは、あの時点で既に珠ちゃんは純平くんのこと好きだったのか!?
「まさか話せるとか思ってなかったから、言わなくてもいいかなって・・・。」
もじもじとこれぞまさに女子って顔した珠樹が、照れくさそうに笑う。
「そっかー、珠樹も恋するんだね。」
「・・あたしのことなんだと思ってるのよ。」
しみじみと呟いたあたしに、いつもの冷静なツッコミがお見舞いされる。
へへ、と笑って少し真剣な顔をしたあたしは、頭の中でいろいろと整理する。
「・・・応援、するから。頑張って、珠樹。」
「あ、うん・・・ありがとう。」
大事な大事な親友の珠樹が、恋をした。
相手はあたしを好きだって言ってくれてる柏木くんの親友だ。
っていうことは、あたしは少しは力になれるんじゃないだろうか。
ほら、柏木くんに頼めばいつでも、純平くんと珠樹を二人にすることだってできる。
必死に整理した頭の中で出た答えは、そういうことだった。
だから、あたしにできることはなんでもしよう。
あたしの言葉に、恥ずかしそうな嬉しそうな顔をした珠樹だったけど、大きく肯いてくれた。