「珠樹、おはよう。」
「・・・おはよ。」
あれ。
なんだろうその間は。
次の日の朝、いつも通りに珠樹に挨拶をして、そのまま珠樹の席の前の椅子に腰かけた。
「・・・・・・昨日は、あのあとどうなったわけ。」
「えっ。」
そうか。
昨日は、春市先生と別れてから職員室前に戻ってみると、珠樹はいつの間に帰ったのか居なかったんだっけ。
「は、春市先生と・・・・・・アドレス交換しました。」
「・・・・・・はぁぁぁぁぁ!?」
おずおずと一番大きな出来事であろうことを報告すると、珠樹はしばらく黙った後、小さくも大きい叫び声をあげた。
「どういうこと!?なんでそういう流れになるわけ!?まったく読めないんだけどっ」
珍しく感情を荒立てている珠樹。
な、なにをそんなに怒ってらっしゃるのでしょう……。
「なんか・・・お礼したいって言ったら、俺の・・・特別?に、してやるって・・・・・・」
昨日言われたことを思い出しつつ伝えると、珠樹は口をあんぐりとあけたまま黙ってしまった。
「ねぇ。あの人なに考えてるわけ。あたしにはまったくもって分からないんだけど。」
3分くらいその状態で、やっと口を開いた彼女は、そんなことを呟いた。