悔しいくらいに、かっこいい。


久々だとか言ってたのがうそみたいに、次々とピンを倒していく先生の姿は、まさにその一言に尽きた。


ただ、あたしが投げるたびにバカにしたような声で笑うのだけは、絶対に許さない。


先生に教えてもらったとは言っても、もともとこういうことに対するセンスのないあたしは、大して上達もせず。


最終的に170近いスコアを叩き出した先生に比べて、あたしはたったの50ほど。


・・・なんだかとっても屈辱的な気分。


「はー、楽しかった。あんこ、お前やっぱりおもしれぇわ。」


「・・・どうも。」


盛大にバカにされてる気しかしないあたしは、不機嫌丸出しで答える。


「急に呼び出して悪かったな。助かった、ありがとう。」


「え・・?」


いつもならありえない先生からの感謝と謝罪の言葉。


なに、どうしたの。


雪でも降るんじゃないか。


「・・・・・楽しかったか。」


「え、あ・・・はい・・。」


ニコリともせず、こっちに顔を向けるでもなく、だけど雰囲気は柔らかめに。


あたしの答えに満足したように笑って、先生はスーツのポケットから車の鍵を取り出す。


当たり前のように先生の車に乗り込みながら、若干の気持ち悪さは拭えずにいた。