「って・・・どこ向かってるんですか。」
てっきり前と同じであたしを送ってくれるんだと思ってたのに。
「あ?黙って乗ってろ。」
なぜ急に不機嫌丸出しなのか分かんないけど、それ以上言葉を発せば睨まれそうなので大人しく乗ってることにする。
この辺全然通らないからなにがあるのかよく分からないけど、先生のことだから危険なとこには連れて行かれないだろう。
その辺はちゃんとしてるから、安心できる。
「あ・・・。」
裏道のような道路を抜ければ、視界が開けて見たことのある建物が現れた。
「降りろ。」
その建物の駐車場に車を止めた先生に、エンジンを切りながら言われたので素直に降りる。
すたすたと歩いて行ってしまう先生の少し後をついて建物の中に入れば、急に人の声などでざわざわとする。
「ここ、初めて来たかも。」
「は、うそだろ?華の女子高生のくせして。」
華の女子高生だけど、超インドア派なもんですから。
「ま、俺も久々だけど、ボウリングなんて。」
そう、ここはボウリング場だ。
ボウリングに行こうなんて誘ってくるアクティブな友達は持ったことがない。
家族だって全然インドアだし、来る理由を探す方が難しいのだ。
受付で手続きをしてる先生の後ろ姿をみながらキョロキョロすれば、意外とカップルが多いんだなと思った。