そしてぴったり3時間後。


「ふー。終わったー・・。」


「お、ジャスト。意外と使えんじゃん。」


あたしが息を吐いて呟いたのと同時に、ガラッとドアが開いて先生が入ってきた。


生徒のこと使えるとか言っちゃっていいわけ、ほんとにこの人は。


「・・・ま、いいだろ。さすが俺の忠犬あんこ。」


ぱらぱらとあたしが束ねたプリントたちをチェックして、満足げにそう言った先生。


その少しニヒルな笑みにキュンとしたのは内緒。


とにかく今は、余裕じゃんとか思ってた数時間前のあたしをぶっ倒したいくらいに疲れている。


なにより肩が凝るんだから。


事務仕事とかいいなって思ってたけど、こんなのばっかりなんじゃ身体持たないよな・・・。


「おい、あんこ。」


「・・はい?」


「立て、行くぞ。」


「え?・・・え!?」


まるで主語のない命令が飛んできて、ずんずん歩いて行ってしまう先生に慌てて立ち上がってついていく。


ちょっとくらい休ませてくれたっていいんじゃない!?