言われた通りに先生と向かい合うようにして座って、鞄を横に置く。
「・・・で?今日はなんですか?」
たとえ雑用係でも、先生に会えることが嬉しくて、先生のそばにいれることが嬉しくて。
でもそれを悟られないようにすればするほど、態度は冷たくなっていく。
・・・仕方ないことなんだけど。
「せっかく夏休みで授業ねぇってのに、俺は仕事に追われてるんだよ。それなのにお前は悠々と休み満喫してるんだと思ったら悔しいから呼んだ。ってことでこれ、やっといて。」
よくわからない理由を並べ立て、先生は大量のプリントをあたしの前に積む。
待って。
こんなこと、前にもやったよ?
「どうすればいいんですか、これ。」
どうせ雑用係として呼ばれたんだろうってことは分かってたから、大して驚くでもなく聞けば、先生はにやりと笑って近づいてくる。
「あんこ。だいぶ忠犬っぽくなってきたな。」
「は・・?」
「それでいい。もっと従順になれ。」
「いや、だから・・・は?」
何度も言うけど、分かってることだ。
先生にとってあたしは、ただの都合のいい使い走りの雑用係だってことは。
でも、そんな顔して言われたんじゃ、疑いたくもなるし期待したくもなるよ。
そんな愛おしそうな目・・・・・・しないでよ。