なんでせっかくの夏休みなのにこんな時間に起きなきゃいけないのよ、とか朝から文句を言いながらも学校についたのは8時半とかだったりする。


お母さんに、なんだか楽しそうな顔してるわね、なんて言われてちょっと恥ずかしくなったりした。


あぁ、あたし、ほんと先生のこと好きなんだとか思っちゃったりして。


自覚してから先生に対する態度とか、どうなるんだろうって心配してたけど意外と普通に接することができてて自分でも驚いてる。


学校の玄関は休み中は1か所しか開いてないため、いつもとは違う位置から入る。


「結構人いるんだなぁ。」


体育館側から響く足音とかボールの音とか、朝から部活に勤しんでいる様子が感じられた。


グラウンドにもサッカー部と野球部がいて、運動部はやっぱり大変だななんて思った。


ゆっくり足を進めて最上階まで行って、さらに1番端っこまで行く。


英語科研究室と書かれた扉の前に立ってゆっくりドアを開く。


つい最近までここのことなんか知らなかったのに、先生のせいですっかり見慣れてしまった。


「お、ずいぶん早ぇな。そんなに俺に会いたかった?」


久しぶりに見る顔は、相変わらず整ってて。


久しぶりに聞く声は、相変わらず上から目線で。


「・・・都合のいい頭ですね。」


内心うきうきしていることがばれないように、わざとつんとした態度を取るあたし。


それに気づいてるのかいないのか、先生は座れとソファを指さした。