「あ・・そうだ、柏木くん。」


「ん?」


「足、大丈夫?転んでたみたいだけど・・。」


ジャージで隠れた足を見つめながら聞いて、そっと視線を柏木くんへ移す。


「・・・・・っ。」


なぜだか手を口元へ持っていきながら、心なしか顔を赤くしてる柏木くんと目が合った。


「・・柏木くん?」


「だ、大丈夫!!あんなんようあることやし!!」


声をかければ慌てたようにそう言った。


「そう・・?ならいいんだけど。」


ニコッと笑いかければ、柏木くんも笑い返してくれた。


「雅史、行かねぇの?」


柏木くんと同じジャージを着て大きな鞄を肩にかけた男の子が柏木くんに声をかけた。


彼は柏木くんに勝るとも劣らない爽やかさを纏っている。


「あ、ごめん、純平。もう行くん?」


「いや、まだ大丈夫だけど・・・。」


純平と呼ばれた彼は、あたしたちに視線を移して軽く会釈するから、慌ててあたしたちも会釈を返した。