少し歩いたところで、おいしそうなスイーツ屋さんが目について、おやつにしようと2人で入った。
紅茶とケーキが運ばれてきて、おいしそうな匂いが鼻をくすぐる。
「あ、これおいし。」
「一口ちょうだい。」
なんとも女子高生らしいやりとりをして、ずずっと紅茶をすする。
「・・・・・最近、どうなの。」
ケーキの最後一口を口に入れて、珠樹がボソッと言う。
え?と聞き直せば、春市先生のこと、とむすっと返ってきた。
「ど、どうって・・・・、別になにも・・・。」
「・・・・・・。」
射竦められるような目線で見られて、思わずしどろもどろになってしまえば、何かあったと自白してるようなものだ。
「・・・すいません、嘘です。」
学祭のあとから先生といろいろあったこと、実はまだ珠樹に言えてなくて。
だって、絶対珠樹怒るだろうと思ったし、心配かけたくなかったから。
「・・・・・・ふーん。安定のクズ野郎なわけだ、雄ちゃんは。」
あたしの話を一通り聞いた後、紅茶を飲みほして珠樹は暴言を吐く。
・・・クズじゃないとは、言いませんが。