「いやー、面白かったね。」
「うん、期待以上でよかった。」
映画を観終わり、2人でお昼を食べに映画館近くのファミレスに入った。
2人でパスタを頼んで、運ばれてくるのを待ってるとこ。
今日観てきた映画は、全然恋愛ものなんかじゃなくて、ごりごりのミステリーだ。
有名な作家さんのめちゃくちゃ売れた小説を映画化したもので、大学生の主人公が校内で起こった殺人事件をきっかけに謎解きをしていくというものだった。
話題にはなっていたからあたしも知ってたけど、わざわざ観に行くまではないかと思ってたけど、これは観に行かないと損だ!!と今は声をあげて言える。
「主演の人、今話題になってるから使ってるだけだろうって思ってたけど、予想以上にぴったりだったね。」
「うん。ちょっと好きになっちゃった。」
「杏子ったら単純。」
珠樹に冷たく突っ込まれたところで、パスタが運ばれてくる。
そこでいったん会話は中止されたので、少しあたりを見渡す。
平日とは言っても夏休みのため、店内は意外と混んでたりする。
たぶん、だいたいの人は映画を見た帰りか、映画を観る前に腹ごしらえと言ったところなのだろう。
「食べようか。」
「うん。・・・いただきます。」
珠樹の言葉で視線を戻し、談笑しながらパスタを食べた。