久しぶりに、珠樹に時間ができたのかな。
だとしたら、どこか出かけられるかも。
なんてさっきまで見ていたテレビなんかすっかり忘れて、ワクワクと心を弾ませる。
まだ、返信来たわけでもないのに。
ヴーっと音がして、すぐにケータイを開く。
『良かった。じゃあ、11時に駅前集合で。』
簡潔に文章をまとめてくれて、こちらから質問する必要がなくなったのでそのまま閉じる。
珠樹と遊ぶのは、彼女の家でワッフルを作ったとき以来だ。
毎日学校で会うのに、休日に外で遊ぶっていうのは、また違った楽しみとか嬉しさがある。
どこ行こうかなとか考えつつ、珠樹はきっと明確に行きたいところがあるはずだから、どこ行くんだろうとか。
結局お母さんが帰ってくるまで1人胸を躍らせていた。
「良かったじゃない。楽しんで来てね。」
お母さんに話すと、相変わらず嬉しそうにそう言ってくれる。
お母さんは、珠樹のこと大好きだからね。
「うん!!だから明日は、お昼ごはんいらないよ。」
「そうね。じゃあお昼代置いていくね。」
いつも長期休業のときはだいたい、お昼ご飯をお母さんが作って行ってくれる。
自分でもどうにかできないわけじゃないけど、どうしてもめんどくさくてカップ麺とか冷食ばかりになって栄養偏るから、とお母さんが用意してくれるようになったのだ。
お父さんが単身赴任しだしたころからだったかな。