夏休みに突入して1週間が経過した。


幸いにも、夏休みにまでテストの補習とかあったらどうしようかという心配は杞憂で、さっさと宿題を半分ほど片づけたあたしは、ゆったりとした時間を過ごしているところ。


「んー、夏休みはこうでなくっちゃ!!」


ソファにパジャマで寝そべって、お菓子を頬張りながら幸福感に浸る。


適当にテレビをつけて、ちょっと面白い番組だからとそのままにしておく。


平日のため、お母さんは朝早く出かけており、家にはあたししかいない。


あえて早起きしてダラダラするって、ほんとに贅沢な時間の使い方だわ!!


「・・・あれ、メール。」


頭の中で一人で盛り上がっていると、ふとケータイが目に入った。


休みになるとほぼケータイに触らないあたしは、メールのチェックは1日に1回か2回しかしない。


だけど、なんとなく目に入ったからには確認しないわけにもいかない。


開いてみると、2通来ていて、1通目は柏木くんから。


来週の試合、忘れずに来てと念押しのメールだった。


忘れたりしないのに、と少し笑ってしまった。


もう1通は、珍しく珠樹からだ。


『明日、開いてる?』


珠樹のメールには、絵文字とか顔文字とかそういった類のものがついていたためしがない。


あたしだって人のこと言えないけど、もうちょっとかわいくすればいいのにっていつも思う。


『めっちゃ暇だよ』


そう返して、ケータイを閉じる。