しっかりとあたしの手を握って、絶対勝つから、と宣言した彼は、意気揚々と放課後練習へと向かって行った。
夏休みと言えども、運動部に休みなんてものはほとんどない。
練習試合だの合宿だの、それに加えて学校からの宿題もあるから、むしろ普段より忙しいんじゃないかとすら思うほど。
・・・心底、部活入らなくてよかった。
「____夏休みの予定とかって、あるんですか!?」
ちょっとだけ運動部のみなさんに同情していると、教室の中の騒がしさに気が付く。
「あたし、先生と海とか行きたぁい!!」
「えー、どうせなら泊りがけで旅行とか!!」
『キャーっ』
・・・・・・。
なぜ自分たちで言ったことに自分たちで騒げるんだ。
春市先生を取り囲むようにして、いろんな学年の女子たちが口々に先生を誘っている。
夏休みに生徒とすごす先生なんてどこにいるんですか、と聞いてやりたい。
普通に考えたら分かんだろ。
生徒とでかけるなんて、ましてや泊りなんてバレたらクビに決まってんだろうが。
勝手にキャッキャと騒ぐ彼女たちを見ていたら、段々イライラしてきてしまった。