振り返って、ん?と首を傾ければ、なにやら緊張気味の柏木くんがいた。


「あ、あのさっ。」


それだけ言って、またしばらく目を泳がせたまま黙ってしまう。


「なに?」


「あー、もうっ!!」


心底不思議そうな目を向ければ、ガッと頭を掻いて、やけ気味に声を上げる。


「再来週の土曜・・・、試合あんねんけど、見に来てくれへん!?」


なにをそんなに緊張してるのかわからないけど、こっちにまで染りそうなくらいガチガチで誘われたのは_________。


「え?試合?」


「そ、そうや、試合!!サッカーの!!」


「あ・・・、部活の、ね。」


冷静に考えればそれ以外ないんだけど。


「あかん・・かな?」


う・・・。


そ、そんな爽やかな顔して目うるうるさせながら上目使いなんてされちゃ、断れるわけないでしょうが・・・っ!!


「・・・行くよ。応援するね。」


ま、断る理由もないし、観に行く気は満々だったけど。


ちょっと微笑みながら言えば、やっといつもの柏木くんらしくやったと飛び跳ねながら喜んでくれた。