「えー、今日からテストまでの2日間、成績不優秀者は補習を行いますので、放課後それぞれの教科担当の研究室まで行くように。」


急に学年集会が開かれたと思えば、学年主任の禿げ散らかった先生が言った言葉は、衝撃でしかなかった。


「職員室前に補習者貼り出すから見ておいてください。」


それだけ言って、集会は終わった。


「・・・あたし、絶対英語補習だ・・。」


その予感は、見事ピタリと的中する。


一覧の真ん中あたりに、堂々と名前が載っていました。


テヘっ。


・・・。


「これじゃあプリントやってる時間ないよ!?」


補習まで受けてから帰ったんじゃ、あたしにそんな体力は残されてない。


「・・クズの極みか。」


一緒に見に来てくれていた珠樹が、頭の中身を覗いたようにコメントをくれた。


「しかも、担当春市先生じゃん?」


「・・・え!?」


ちょっと面白がってるような表情で、貼られた紙をトントンと指さす。


「・・・うそでしょ・・。」


一覧には、補習者だけじゃなく担当教員も書いてあった。


“英語 春市”


と、確かに書いてあった・・・。