驚きのあまり声も出せずにいるけど、よく考えるとだいぶ危険な態勢だ。


思いっきり跨れてるもん。


「せ、先生!!どいて下さい!!」


「あ?」


今までで1番かもしれないくらい、不機嫌な先生の言葉に凍りつく。


つんと鼻をつくような匂いがして、それが煙草だと気づくのに時間はかからない。


いつも、放課後にしか吸わないのに・・・。


「せんせ・・・・?」


段々近づいてくる春市先生。


このままじゃキスされてもおかしくない、と頭では理解してるのに、体は言うことを聞かない。


「ちょっ・・・。」


徐々に加速して、ギッとベッドが軋めば、先生の顔はあたしの首筋に埋まる。


顔の横につかれていた手が、しっかりとあたしの頭を押さえる。


両手をバタバタさせてみても、ピクリともしない。


「あっ・・・。」


首筋に鈍い痛みが走って、抵抗をやめる。


「・・お前は、俺のだ。忘れんな。」


それだけ言って、先生はベッドを降りた。


先生の言う“特別”は、“所有”を表すものだったの?


“関係”としての“特別”じゃないんだ。


あたしはいつから、先生の“もの”になったんだろう。