「_________それでは、体育大会スタートします!!」
ジャージ姿の生徒たちが体育館に集められ、競技を行う上での注意事項や校長先生の話を聞き、保健委員長の声で、体育大会が始まった。
「絶対優勝するぞー!!」
『おー!!』
クラスみんなで円陣を組んで気合を入れる。
「最初どれー?」
「えっと・・、バスケとサッカー!!」
クラスの女子同士が叫び合ってるのを聞いて、漠然と柏木くんが出るなと考える。
「杏子、グラウンド行くよ!!」
「え?」
「サッカー!!観に行くでしょ!!」
珠樹に腕を引っ張られながら、やっと理解する。
あたしのために勝つ、とか言ってくれてたから観ないわけには行かないし。
「あ、そろそろ始まるっぽい!!」
遠目からでも、入念にストレッチをしている柏木くんの様子が分かった。
グラウンドに出たと同時にホイッスルが鳴り、うちのクラスのサッカーの試合が始まった。
「杏ちゃん!!・・よう見といてや!!」
あたしを見つけた柏木くんが、コート上から大きく手を振りながら叫んだから、あたしも大きく頷き返した。