がたっと音を立てて自分の席に座る。
「ハァ・・・。」
それと同時に大きなため息をついて、プリントをどさっと机に置く。
「杏ちゃん、それどないしてん?」
ため息を聞きつけたように後ろからひょこっと顔を出した柏木くんがなんとも無邪気に質問をする。
「・・・“宮古杏子専用課題”?どうしたの、これ。」
いつの間に来ていた珠樹が、大きく書かれた文字を読み上げる。
「・・・春市先生から、もらった・・・。」
「・・・・・杏ちゃん、壊滅的に英語でけへんもんな。」
「ちょうどいい機会じゃん?英語勉強しなよ。」
少し言いにくそうに柏木くんが言えば、他人事丸出しで珠樹が応じる。
「う・・・。」
「分からんかったら教えたるから、いつでも聞きに来てや。」
ここぞといった感じで、優しい目で言ってくれたけど、教えてもらったところでできるようになるとは思えない。
「とりあえず、体育大会のことだけ考えよう!!」
宮古杏子、現実から逃避することに決めました!!
「・・・この子、たぶん一生英語できないわ。」
「・・・せやな。」
珍しく2人の意見が合致してたけど、そんなの知らない。