受け取ることを必然的に体が拒否するため、全然プリントに手は伸びない。


「おら、さっさと持ってけ。」


「・・・い、いらない。」


ざざっと後ずさりして必死に手を振って拒否を示す。


「・・・38点、41点、29点、34点。」


「え・・・。」


なにやら資料を眺めながら、淡々と点数を述べていく先生。


「お前の定期テストの点数だ。赤点ギリギリどころか赤点まであるじゃねぇか。」


「う・・・。」


別に、忘れたわけじゃない。


他の教科はともかくとして、英語だけは本当に苦手だ。


中学のころからなので、これはもうどうしようもないと諦めてる・・。


「大学、行くんだろ。」


「・・はい。」


「このご時世、英語なしで受けられる学校なんかねぇぞ。・・この成績じゃ、どこも行けねぇぞ、お前。」


淡々と、だけど正論を並べられて、もはやあたしには抵抗の余地もない。


「体育大会終わったら、すぐテストあんだろ。それまでに、このプリント終わらせろ。」


いいな、と念を押されればもう頷くしかなく。


渋々プリントを受け取ったあたしは、足も重いまま教室へ戻ることになった。