ある晴れた日の朝。


いつも通り眠い目をこすりながらチャリを飛ばす。


「あー!!また遅刻しちゃうっ」


今日は始業式。


昨日まで春休みだったのだから、寝坊するもの無理はない。


まぁ、ほぼ毎日のように寝坊してるんだどね。


「ちょ、もうほんと最悪!!なんでいっつもこんなに混んでるわけ!?」


学校へあと数百メートルのところに交差点があり、そこはいろんな通勤通学者で溢れかえっている。


文句を言ってみたところで人が消えるわけじゃない。


「早く、早く!!」


チャリに跨ったままで貧乏ゆすりをする。


あたしの名前は宮古杏子。


鐘蘭(ショウラン)高校に通う2年生。


探せばいくらでも出てくる平凡な高校生。


「んもー!!早く進んでってば!」


信号が青になっても人が多くてなかなか進まない人ごみにイライラと声を上げる。


ようやく信号を渡りきると、そこからまた全力疾走。


頭の中は早く学校に付きたいということばかりで、角を曲がってきた人に気づかなかった___。