「そうか…、ここは…」

“ 彼 ”との、最後の場所…

…“ 彼 ”?
なんでだろう…名前が、思い出せない。



もう一度、風が強く吹いた。

ハッとして前をみると、階段に誰かが腰掛けて座っている。
屋根の影で薄暗くなっているため、よく見えない。


私は強い期待を込めて、ゆっくりと近づいて行く。

どこからかドーン、と大きな音とともに
静かな夜空に大きな花が咲いた。


「あ……」

その光に照らされて ハッキリと見えたのは、やっぱり彼だった。