コウはうれしそうに微笑むと、
また一段、一段と階段を登って行った。



「逃げないから!…私、がんばって生きていくから…だから待ってて、絶対幸せになって、会いに行くからね…!」



大きな声で叫ぶように伝えた。
もしかしたら、涙声で聞き取りづらかったかもしれない。



「うん…待ってる」


コウはもう一度微笑んでそう言い、
あのときと同じように 光に包まれながら消えていった。