ずっと冷たかった彼の手が、すごく暖かく感じる。
余計に、涙が止まらなくなった。



「もう一度言う。お前はまだ来ちゃいけないんだ。逃げるな。リツならできる。
だから…」



スッと手が離される。
さっきまで触れていた頬が涼しくなって、無駄に寂しさを募らせた。




ドーン


今までで、一番大きな花火が上がった。