「大丈夫だ、リツならできる。
俺もずっと見てる。だから…逃げるな」

力強く、だけど優しい声色に 一気に涙が溢れてくる。

私は抱きしめられたまま、何度も何度も頷いた。


そして、ゆっくりと身体が離れる。

見上げた彼の瞳は、真っ直ぐに私をとらえていた。
私も真っ直ぐに彼を見る。



「…リツは、生きてるから。
辛いことも嫌なこともきっとたくさんあると思う。でも、それは生きているからこそなんだ」