状況がよくわからなくて、 ただ大きく目を見開くしかできない。 耳からは花火の音が聞こえるだけ。 彼の両腕が私の背中に回っている。 こんなにも近い距離に彼がいるんだ。 そう意識すると、自然と涙が頬をつたった。 私を抱きしめている彼の身体は、やっぱり冷たくて。 だけど、なんだか心は暖かくなってくる気がした。