なんだか、とっても幸せだった。 「…ここ、いつも花火がきれいに見えんだ。誰も来ないからちょうどいいし」 このへんではよく花火を上げるみたいだからな、なんて少し嬉しそうに話す。 「花火、か…」 こんなにもきれいなものがあったなんて、知らなかった。 「リツは知らないものが多すぎるな」 あのときと同じように、ポンポンと頭を撫でる。