「ねえねえ、優介くんっ」




大宮望美って奴が話しかけてくる。




「んだよ」



うぜえー…




さっきからイライラする。




別に、大宮のことは嫌いではない。




ただ、絵里とヒカルは今頃




何をしているか、




何を話しているのか、




ヒカルは、絵里にヘンなことをしていないのか、




すごい気になって全く落ち着かないのだ。




今は昼休み。




いつもは絵里と2人だけで




楽しく昼休みを過ごしてきた。



…なのに




今日は大宮と一緒に校舎の見学することになった。




こうやって他の女子と時間を過ごすのは、何年ぶりだろう…




だって絵里以外の女の子には




全く興味がないから。




俺が好きなのは、




ずっと絵里だけだ。




絵里のことが好きになったの




いつからだったっけ…?




絵里は俺のこと




どう思ってるんだろ…




あいつに付き合ってって言ったら




どんな反応するんだろ…




知りたいことはたくさんある。




誰かに相談したい。




だけど絵里以外、相談に乗って欲しいひとがいない。




俺は、そう簡単に他の人になんか信用しない。




あの時のことはもう二度と起こらないようにね。



俺は絵里を守ろうとしてるだけだ。




俺には絵里しかいないから。





絵里がずっと側にいてくれるなら




俺はそれでいい。




両思いでなくても…




「優介くんって、絵里ちゃんのこと好きでしょ」




大宮の突然の質問に足が止まった。





「あはは。冗談冗談っ。」




大宮はそう言って、俺の肩を軽く叩く。




俺は一言も喋らずに前に進もうとした時…




保健室から出てきたヒカルと絵里の姿が見えた。




ヒカルは、絵里の耳元で何か囁いた。




なんて言われたか知らないけど、




絵里は楽しそうに笑ってる。




俺はその場からしばらく動けなかった。




さっきよりさらにイライラする。





「おっ!あれ優介と望美じゃね?」




ヒカルがそう言うと、絵里の手を掴んで俺らのとこに走って来た。