すごいスピードで走る自転車がこっちへ向かってくる。
あれ??
足が思った通りに動かない!!
私は、覚悟して目をギュッと閉じた。
・・・・・・・
あれ…⁇⁇
い、痛くない…
私はゆっくりと目を開く。
ゆ…優ちゃん?
「絵里…大丈夫か?」
心配してるような顔で聞く優ちゃん。
自転車がこっちにぶつかる直前に
優ちゃんが私の腕を強く引っ張って、
その勢いで優ちゃんの方へ倒れたらしい。
「う…うん。大丈夫。優ちゃんは?」
「大丈夫…」
良かった〜
私のせいで優ちゃんが傷つけるのが嫌だ。
「絵里…」
「何?」
「重いっ…」
「えっ?」
気がつくと、優ちゃんの上に乗っていた。
「あっ!ゴメン!」
慌てて優ちゃんの上から離れるあたし。
もう〜
恥ずかしいよ~ (>_<)
みんなこっちみてるし…
「ったく…お前また太ったな」
うぅ〜…
また太ったって…
私は優ちゃんを睨んで、黙ったまま先に進んだ。
…て言うか私、優ちゃんにまだお礼言ってないよね?
一旦止まって、後ろに振り返る。
優ちゃんと目が合った。
ドキッ
な、なにこれ?
心臓が早くなってきてる…
一瞬だけ、優ちゃんが輝いてるように見えた…
なんかよくわかんない…
「どしたん?」
追いついてきて私のまえに立つ優ちゃん。
心が全然落ち着かない…
「いや…別に。」
「そうか…じゃ行こっか」
そう言いながら前に進もうとする優ちゃん。
「あ、待って!」
「ん?」
「さ、さっきは…ありがとう…」
うつむいつまま言う。
私、なんでこんなに緊張するの?
優ちゃんの目をまっすぐ見れない…
[…バーカ!…おっ!もう遅刻しちゃうから行くぞ!」
優ちゃんが顔を真っ赤にしてそう言うと、
あたしの手を掴んで走っていった。