「そこが難点。もしくは長所。どうしていいかは知らないだろうけど、裕太だからな…」
「何でもやっちゃいそうだよね、ゆうちんって。」
「そうなんだよなぁ……あぁあと、嫉妬された。無自覚のやつ。」
恵がまた、ため息をつく。
すると、隼人が目を見開いた。
「え、ゆうちんも?」
「も?ってことは真昼も?想像つかないな…」
恵が空をあおぐ。
つられて、隼人も顔を上げた。
「ゆうちんと長年いるのがうらやましいんだって。」
隼人がクスリと笑う。
「へぇ……意外と、な感じ?」
「ゆうちんは?」
隼人がそう訊くと、恵もクスリと笑った。
「俺らが『真昼』って呼んでんのが気にくわないんだと。バンド仲間なんだからしょうがないのに。」