「ちょっとね、隼人や恵がうらやましくなるときがある。」
そろそろ、2人が別れる十字路が見えてくる。
「へぇ……」
隼人はもしや、と思いながら、真昼を見る。
「ほら、裕太と長く一緒にいるでしょ?あれがたまに、うらやましくなる。」
そして隼人は、心の中でやっぱり、と呟いた。
「そっか……でも多分、今一番親密なのは真昼だと思うけど?」
ちょっと真昼を見ると、少しだけ顔が赤くなっている気がした。
そして、十字路にさしかかる。
「取り敢えずバンドの方では今まで通りにしてくれると助かるから。」
「うん…頑張るね、」
そう言って、真昼は笑った。
はにかむように。
隼人はそれを言ったら裕太に嫉妬されるだろうな…と思いながら、手を振った。